組織の核

組織の核
#編集は2011/2月。
「組織の核」を決めているチームは強い。
絶対的に組織の「軸」になる選手を決めて、その選手を「軸」に組織を構築する。
これは、イタリアのチームが良くやる組織の作り方です。
一番良い例は、2006のW杯のトッティ。
あれは、完全にトッティを「軸」にした(依存した)チームだった。
依存は悪いことじゃない。
良いことじゃないですか。どのチームも強いですよ。というか、どのチームも依存している選手はいるし、依存しない限り、その「組織」は強くありません。
依存すること、「組織の核」は絶対に必要です。
それで、トッティの話に戻ると、これは、何も2006だけじゃない。
アッズーリは、2000年から、ずっと一貫してトッティを「軸」にしていた。
トッティがいないと何もできないチームでした。
しかし、強い。
2000も2002も2004も2006も最強チームでした。(2002は本当なら優勝できていた。2004はトッティが出場停止。)
大怪我をしたトッティを無理やり2006に連れて行ったのはそのためです。
リッピはトッティを「軸」にしていたのだから。
トッティ以外の選手で守り、トッティにボールを渡し、そこから他の選手が動き、そしてトッティがパスする。全てはトッティによって決まる。
だから、トッティが完璧なまでに抑えられたフランス戦は、あんなに苦しみました。マケレレとヴィエラではさむのは卑怯です(笑)
皆さんの分かる、もっと分かりやすいチームを出しましょうか。
今回の日本代表です。
「軸」は本田。
全て本田に任せていました。
本田がキープし、本田がパスを出す。
全ては本田です。
彼が、数的不利でも、狭い所でもキープしてくれる。そして、必殺パス。もしくは今はダメだと戻す。
そこに行くまでのコントロールは遠藤ですけどね。本田がトッティ、遠藤がピルロです。
これは、2006のアッズーリに非常に似ている戦術でした。強いですよ、あれは。
多少こじつけて当てはめると、
トーニ前田
トッティ本田
カモラネージ香川
ペロッタ岡崎
デ・ロッシ長谷部
ピルロ遠藤
みたいな。とりあえず「役割」は大体同じです。大体。「役割」です。配置とかで突っ込まないでください。
この日本のシステムを可能にしたのが、本田。MVPも当然本田です。
数字や見た目以上に、チームへの貢献がすさまじいですよ、彼は。「組織の核」でしたからね。
今回の日本代表は、全てを取っても、イタリア式でした。素晴らしかったですね。
一つだけ付けくわえておくと、SBは明らかに内田(神。SBは1対1とクロスだけじゃない。)のほうが良かったですよ、と。あと川島は別にすごくなかったですよ、と。PKは良かったけど。
一つじゃなくて二つ目も付け加えると、「采配」「采配」うるさいけど、「戦術」を見る気はないのか、と。ザックの行った素晴らしい「戦術」(就任してから含めて)。オーストラリアの「戦術」や、それに対抗するためにザックが取ったラインを下げる「采配」とか気付こうよ、と。目に見える選手交代だけが「采配」じゃないよ、と。
日本のマスコミ(解説者とか雑誌含めて)は本当にレベル低い。彼らのレベル低いから、観戦者とかまでレベル低くなるんだよ、と。とりあえず、海外リーグも含めて全試合の解説を名波さんと健太にしよう。松木さんはサポーター枠で必要ですけどね(笑)
さぁ、今日は毒吐きまくる日です。某BLOG(ここじゃないですよ)見て、マジで腹が立ったので。
話を戻します。
この、「軸」のはっきりしているチーム、つまり、「組織の核」がある、「組織の核」を活かせているチームは強い。
逆に、「組織の核」がない、または、「組織の核」がハッキリしないチームは強くない。
CL優勝の時のユナイテッド。(ロナウド)
2年前のリヴァプール。(ジェラード)
インビンシブルの時のアーセナル。(ヴィエラ)
少し前までのチェルシー。(ドログバ)
去年のインテル。(スナイデル)
バルサ。(メッシ)
今のミラン。(アンブロジーニ)
一昔前のミラン。(カカー)
最近以外のローマ。(トッティ)
去年までのサンプドリア。(カッサーノ)
トッティのいたアッズーリ。(トッティ)
ジダンのいたフランス。(ジダン)
2010W杯までのブラジル(カカー)
去年のバイエルン(ロッベン)
まぁ、分かりやすい一部です。
お気づきですか?
「組織の核」が抜けた、もしくは機能しなくなったチームは強くない。または、「組織の核」がいないチーム、はっきりしないチームは強くない。
いかに「組織の核」の選手を活かすか。それが全てです。
私はこの前の記事で、戦術すら変えてしまう選手をフェノメノと言いましたが、大体はこれらの選手を「組織の核」にします。
彼らを「組織の核」にして、そこから組織を変えます。だから、戦術を変えてしまう選手、フェノメノって呼ばれるんですけどね。
さっき言った、「組織の核」が抜けた、もしくは機能しなくなったチームは強くない。または、「組織の核」がいないチーム、はっきりしないチームは強くない。
じゃあ、これの例示も行きます。
リヴァプールは、アロンソが抜けて、「核」であるジェラードが活きなくなったため。
アーセナルには「核」がいなくなったため。今は誰も「核」にしていない。だからあまり強くない。セスク絶好調の時は良かった。彼が「核」だったし、フラミニがその「核」を活かしていた。
チェルシーは「核」であるドログバの怪我や不調。
ユナイテッドは見事。即座にルーニーを「核」にした。しかし、今シーズンはまさかのルーニー低調。それでも勝つファギーはすごい。
今年の(ベニテス)インテルは、「核」だったスナイデルを扱い切れなかったため。
バルサはメッシになんの問題もないからずっと強い。
去年のミランはカカーが抜けたから。その前は、カカーを活かすFW(シェフチェンコ)がいなくなって、「核」が機能しなくなったから。
今年のサンプは「核」であるカッサーノがいなくなったから。
今のユーヴェには「核」がいないから。
アッズーリは「核」であるトッティがいなくなったから。2008も2010も「核」がいなかった。
フランスは「核」であったジダンが抜けたから。
W杯のブラジルは「核」のカカーが不調だったため。
今年のバイエルンは「核」のロッベンが怪我してたため。
アトレティコには「核」がいない。はっきりしてない。
マドリーは、「核」をロナウドにしたいんだろうけど、エジルが「核」になっちゃってるから、なんか微妙な感じに。
【FW等の、「味付け」(後で詳しく説明します。)もひどいですしね。まぁ、モウリーニョだし、なんとかするでしょう。
マドリーは、伝統的に「組織の核」になるような選手(フェノメノ)を何人も取るからそういうことになるんですよ。「組織の核」は一人です。だから、良い組織が構築できないんですよ。
「組織の核」の融合なんて夢物語です。その夢物語を追い続けるから、マドリーは良いんだ、ってのがあるのでしょうが。】
その他のプレミアやリーガの弱いチームや、セリエの一部チームも「核」がいない、もしくは「核」を活かせていない。
これらのチームは軒並み弱い。組織が上手く機能していません。
「組織の軸」になる、「組織の核」は絶対に必要です。
それを選ぶのも監督。それをどう活かすかも監督です。
これによって、やるサッカーが完全に変ります。「組織の核」が変ったのに、やるサッカーを変えない監督は、はっきり言ってダメ監督です。
「組織の核」を「味付け」によって活かせない監督もダメ監督です。
だから、これを活かす術を知っている、イタリア人監督が優秀なんです。イタリアには「依存」のサッカー文化がありますしね。
「依存」?だから?みたいな感じで、特定の選手にあからさまに依存しますからね。
イタリア人監督は、選手を見てから「選手本位」の組織を作るから、強いんです。
自分の戦術を押し付ける監督はろくな監督じゃないです。いっぱいいますが(イタリアにも)、例はあえてあげませんけどね。
モウリーニョとか、これがめちゃくちゃ上手いですね。彼はすごいイタリア的な監督です。
プレミアやリーガのチームは、とにかく強い選手をかき集めれば強い。イタリアのチームは一人のカンピオーネと監督さえいれば強い。
組織の構成力の違いを如実に表してますね。
まぁ、これが圧倒的な戦術のレベルの違いでもあります。かき集めすぎだから、今はプレミアやリーガの方が強いんですけどね。
すごいキツく言うと、「選手が選手を」活かしてるだけです。決して、「組織で選手を」活かしていません。
“一部のチームを除いて”です。だから、リーガやプレミアは一部のチームしか見れません。というか、つまらなすぎて見れない。
特にプレミア。無理です。金さえあれば(選手をかき集めれば)強いって信じられません。あくまで、これも一部を除いてですよ。チェルシーとかは金だけじゃないですしね。問題は他のチームです。
リーガは守備組織がアレなだけで、組織自体は良いチームが多いから、個人的趣味ですが。
私は素晴らしい選手が見たいわけじゃないんです。
素晴らしい戦術、組織によって活かされる素晴らしい選手が見たいんです。だから、私はカルチョを見る。
一回セリエA見てみてください。
ろくでもない選手の集まりであるチームがめちゃくちゃ強いですよ。監督、そして監督が作る組織によってです。
キエーヴォとかウディネーゼとかナポリ(ナポリは良い選手多いけど、それでもあそこまでの順位のチームじゃない)とか典型です。セリエAは監督、つまり組織だけで勝てます。
監督だけで、降格するようなチームかEL権・CL権を獲得するチームにまで変っちゃうんです。
それだけ組織がすごい。
話変ります。
ちなみに、先日も上げた、「何もさせない」CB(ネスタとラノッキア)ってのは、「核」なんて関係なしに、チームを激的に変えてしまう、化け物です。
まとめると、というかもう一度言うと、「組織の核」が機能しなくなると、弱くなる。いかに「組織の核」の選手を活かすか。それが全てです。
強いチームってのは、必ずこの「組織の核」がいます。また、活かしています。
その他の選手は、言っちゃえば皆、「味付け」です。別に誰でも良い。良い選手であるに越したことはないですけどね。その「味付け」の選手達が、「組織の中」で「組織の核」の選手を活かすんですからね。
つまり、最も重要なのは、「組織の核」の選手です。
この選手が離脱してしまうと、そのチームは全く機能しなくなります。
しかし、「組織の核」は絶対に作らなければ、その組織は強くない。
大変ですね。
まぁ、これは仕方がないこと。離脱したらあきらめるしかない。
離脱したら、監督の腕の見せ所です。
なんとか組織を変えなければいけません。急造組織ですね。離脱から戻ってくるまでの。
これもまたイタリア人監督は上手い。選手を見てから組織を作りますからね。
イブラをチームの1ピースとして扱える監督が存在しますからね。
この「急造組織」には監督の戦術の幅が試されます。
「組織の核」ってのは、絶対に必要です。つまり、「依存」することは絶対に必要です。アーセナルやユーヴェは、前者はそれをパスワーク、後者はハードワーク(守備)で、なんとかしようとしているチームですね。伝統的に。まぁ、だから微妙な強さの時がかなりあるんですが。ジダン(昔のデル・ピエロ)やヴィエラ(調子良かったセスク)がいた時は(依存していた時は)絶対的な強さでしたからね。
「依存」しないことは不可能です。なぜなら、「組織の核」を作らなければ、その組織は強くないのだから。
しかし、「組織の核」を毎試合変えるありえないチームが存在します。
Calico Udinese。
フランチェスコ・グイドリンです。
異端な監督、異端なチームがそこに存在する。
次回に乞うご期待。
格好良い感じで締めたけど、めちゃくちゃ主観の入った内容です。(笑)
焼くなり煮るなりなんなりとどうぞ。

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2014/12/30 09:46 | 過去記事 | COMMENT(0) | TRACKBACK(0)